…ラシャのほかに,江戸中期ごろから,〈コローン・ラッセン〉という,ラシャより地合薄く少し荒い布地がオランダから相当量輸入され,日本人はこれをラセイタ(羅世板)と称して,ぜいたくな合羽や羽織の素材として(色は赤,黒,緑,青)明治中期まで一般に広く愛用した。またこれらとならんで,グロフ・グレインgrof‐greinという粗く粗末な羊毛布地が,前2者よりはるかに安価に大量に輸入され,日本語ではゴロフクレンまたはゴロフクリン(呉絽服連,呉羅服綸,呉絽福林)と称され,とくに幕末・維新前後には毛織物の8割にも及ぶ膨大な輸入量に達し,明治30年ころまで羽織,合羽,帯地,打掛,袋物などの素材として庶民一般に広く愛用された。《好色一代男》では,金にあかして服飾に凝った世之介を描写して〈羽織は呉絽服連〉とその贅(ぜい)を形容している。…
※「フクリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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