世界大百科事典(旧版)内のフリジア帽の言及
【サン・キュロット】より
…この呼称は,1792年以降に,まずパリの民衆を指すものとして用いられ始め,やがて他の都市でも用いられるようになったが,他の都市ではパリにおけるほどは一般化しなかった。サン・キュロットという言葉は,キュロット(貴族やブルジョアのはく膝までの半ズボン)をもたない者,という意味であり,彼らは,ふつうの仕事着である長ズボン(パンタロン)と短い上着をつけ,好んで自由の象徴であるフリジア帽という赤いやわらかな縁なし帽をかぶり,しばしば長剣(サーベル)や槍を携行した。彼らは,貴族や大商人や金融業者や大地主など,総じて〈富裕者〉と呼ばれる階層に対して敵意をもっていたが,社会の最下層をなす乞食や浮浪人などとは一線を画しており,小ブルジョアや自由業者から賃金生活者までを包含する幅広い社会層をなしていた。…
※「フリジア帽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」