世界大百科事典(旧版)内のブロイアー,J.の言及
【アンナ・O】より
…ウィーンの医師ブロイアーJosef Breuer(1842‐1925)が,1880年から82年にかけて治療した,当時21歳の女性患者。本名ベルタ・パッペンハイムBertha Pappenheim。…
【精神分析】より
…以下,フロイトの定義を尊重しながら治療としての精神分析,理論としての精神分析,応用としての精神分析に3大別して解説し,最後にフロイト以後の精神分析の動向を概観することにしたい。
【治療としての精神分析】
フロイトと一時親交のあった内科医ブロイアーJ.Breuer(1842‐1925)は,神経症の一類型であるヒステリー患者に対して催眠を施したのち,目下の神経症症状にまつわるさまざまな追想を感動を伴って患者に物語らせることによって症状を消失させる精神療法をくふうした。フロイトはこのブロイアー法を追試しているうちにやがて催眠を放棄し,ブロイアーのように特定の主題について追想を促すこともやめ,自由連想法を創始した。…
【ヒステリー】より
…子宮説に対して脳に問題があるとはじめてみなしたのは,ルポアC.Lepois(1618)であり,情緒因子が一次的だと考えたのはブローディB.C.Brodie(1837)である。しかし,ヒステリーに対してはじめて根拠のある理論を提出したのは,J.M.シャルコー(1887),P.ジャネ(1889),J.ブロイアー(1895),S.フロイト(1895)である。そして彼らのなかで,心理的要因をもっとも重視したのは,ブロイアーとフロイトであり,二人の共著になる《ヒステリー研究》も刊行されている。…
【ヒステリー研究】より
…S.フロイトとJ.ブロイアーによる共著として,1895年に刊行された著作。ブロイアーによるアンナ・Oの症例,フロイトによる四つの症例(エミー・フォン・N,エリーザベト・フォン・R,カタリーナ,ルーシー・R)と〈ヒステリーの心理療法〉の論文,両者による〈ヒステリー現象の心的機構〉の論文などからなる。…
【ヘーリング=ブロイエル反射】より
…呼吸調節機構の一つ。1868年K.E.K.ヘーリングとブロイアーJosef Breuer(1842‐1925)が報告したため,この名がある。呼吸は吸息と呼息のリズムから成り立つが,そのリズムは中枢神経によって調節されているほか,末梢からの求心性情報によって影響を受ける。…
※「ブロイアー,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」