世界大百科事典(旧版)内のプラトン立体の言及
【数】より
…さらにプラトンはピタゴラスおよびピタゴラス学派と同様に,数を調和の本質とし,宇宙を形成する元素を数の面からとらえた。〈プラトンの正多面体〉,または〈プラトン立体〉と呼ばれる五つの正多面体(正四面体,正六面体,正八面体,正十二面体,正二十面体)はそのような思想の反映と考えられ,後世ケプラーの宇宙モデルにも採られている。また古代オリエントでは六十進法が作られ12を基本とするヨーロッパの数の文化を育て,ヘブライの伝統では文字と数とを同記号で表現することによって数の象徴的意味が拡大され,ゲマトリアなどの神秘的な解読術も生まれた。…
【正多面体】より
…また,多種多様な多面体の中に,5種類しか正多面体が存在しないことに神秘性を感じたプラトンは,彼のイデア論において正多面体に大きな意義を与えた。このため正多面体は〈プラトン立体〉と呼ばれることもある。【中岡 稔】。…
【フィロラオス】より
…1,2,3,4の合計からなる10の数(テトラクテュス)から万有の生成変化を説いた。一説には五つのプラトン立体(正多面体)を発見したと伝えられ,また宇宙に〈中心火〉を想定する独自な宇宙論を案出したのも彼の功績だといわれている。その宇宙論はコペルニクスやケプラーなどルネサンスの天文学者に多大の霊感を与えた。…
【プラトン数】より
…その意味で,インドにおける第2番目のユガであるトレーター・ユガが1296000年,中国北宋の学者邵雍(しようよう)が《皇極経世書》で述べる一元が129600年と,桁こそ違えプラトン数と不思議な暗合を示すことは興味深い事実であり,古代バビロニアにさかのぼる聖数観の東西への伝播も推測される。 なおプラトンの名が冠せられるものに〈プラトン立体Platonic solid(body)〉として知られる図形がある。五つの正多面体(正四面体,正六面体,正八面体,正十二面体,正二十面体)の別称で,《ティマイオス》に記述されていることによるが,正四,六,十二面体はピタゴラス学派の,正八,二十面体はテアイテトスTheaitētos(前4世紀)の発見によるという。…
※「プラトン立体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」