プルシャ・スークタ(読み)ぷるしゃすーくた

世界大百科事典(旧版)内のプルシャ・スークタの言及

【リグ・ベーダ】より

…このような雑然とした多神教の世界に飽き足らず,唯一絶対の最高神,宇宙創造の根本原理を探究しようとする傾向がしだいに強まり,《リグ・ベーダ》の最新層である第10巻には,唯一の絶対者からの宇宙創造を説く,いわゆる哲学的賛歌が数編認められる。黄金の胎児からの宇宙創造を説く〈ヒラニヤ・ガルバHiraṇya‐garbhaの歌〉(10巻121編),プルシャPuruṣa(原人)の身体各部分から万物が生成されたとする〈プルシャ・スークタPuruṣa‐sūkta〉(10巻90編)などがそれであるが,なかでも,中性的原理である〈かの唯一なるものtad ekam〉から全宇宙が展開したと語る〈ナーサディーヤ・スークタNāsadīya‐sūkta〉(10巻129編)は,《リグ・ベーダ》における絶対者の探究,いわゆる哲学的思索の最高潮を示している。このような《リグ・ベーダ》後期の傾向は,のちのウパニシャッドにおける梵我一如の思想をはじめ,インド思想の大勢を支配することとなった一元論的あるいは一神論的思潮の萌芽となった。…

※「プルシャ・スークタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android