世界大百科事典(旧版)内のヘナン帽の言及
【ベール】より
…中世にはキリスト教の教義が服飾にも影響を及ぼし,神と夫への従順を示す意味からも,既婚女性はベールを必ずつけるものとされた。中世末期以降の帽子の発達に伴ってベールの装飾性が強まり,14世紀に流行したヘナン帽にはベールがつけられ,地面に届くほど長いものがあらわれた。14世紀のイタリアではボローニャ製のものが良質として知られていたが,奢侈(しやし)禁止令の対象になり,夫を亡くした女性の頭をすっぽりと包みこむ喪のベールには金額の制限があった。…
【帽子】より
…西欧ではビザンティンの影響を受け,衣服もかぶり物もしだいに華やかさを増した。なかでも15世紀フランスのブルゴーニュ宮廷で用いた円錐形のヘナン帽henninは高さが40cmから1mにも及んだ。これは当時のゴシック建築の尖塔の形を反映したものといわれている。…
※「ヘナン帽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」