ヘリコン(読み)へりこん

世界大百科事典(旧版)内のヘリコンの言及

【ムーサ】より

…彼女たちはアポロンとサテュロスの笛の名手マルシュアスMarsyasの音楽競技の審判役をつとめたほか,彼女たちに技競べを挑んだトラキア地方の音楽家タミュリスThamyrisを負かして,その視力と音楽の技を奪ったなどと伝えられるが,固有の神話は少ない。崇拝の中心地はピエリアとボイオティア地方のヘリコンHelikōn山で,ヘリコン山にあるニンフのアガニッペAganippēの泉と天馬ペガソスのひづめが打ったあとから湧き出たというヒッポクレネHippokrēnēの泉は,詩人の霊泉として有名であった。のち帝政期のローマで彼女たちのおのおのに職掌とする領域が定められ,だいたいのところ,カリオペKalliopē(ラテン名Calliope)は叙事詩,クレイオKleiō(ラテン名クリオClio)は歴史,エウテルペEuterpēは抒情詩,タレイアThaleia(ラテン名タリアThalia)は喜劇,メルポメネMerpomenēは悲劇,テルプシコレTerpsichorēは合唱歌舞,エラトEratōは独唱歌,ポリュヒュムニア(ポリュムニア)Polyhymnia(Polymnia)は賛歌,ウラニアUraniaは天文をつかさどるとされている。…

【チューバ】より

…楽器の基調も何通りかあり,音楽の分野により,また国によってどれを採るか傾向が分かれるが,変ロ調が最も多く,ハ調と変ホ調がこれに次いでいる。管の巻き方を円環状とし,奏者が左肩からたすき掛けにかつぐようにしたヘリコンheliconとか,その開口部を派手に大きく作り,向きを変えられるように作ったスーザフォーンsousaphoneなどもある。管を思いきり太く,開口を前向きに大きく作ったリコーディング・ベースrecording bassは,レコード録音が初歩段階にあった時代に威力を発揮した低音楽器として,今も語り草になっている。…

※「ヘリコン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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