世界大百科事典(旧版)内のヘルニアバンドの言及
【鼠径ヘルニア】より
…生後1歳以下では自然治癒の可能性もあるが,つねに嵌頓の危険を伴うため,現在の小児外科では診断がつきしだい,根治手術を行う傾向にある。ヘルニアバンド(脱腸帯)は臓器脱出を防ぐためヘルニア門を圧迫する方法であるが,治療としては不完全なため,手術のできない場合のみに使用される。成人の鼠径ヘルニアは腹壁の抵抗が弱くなるために内臓が腹膜に包まれて突出する後天性のヘルニアである。…
【脱腸帯】より
…ヘルニア内容(腸管や大網など)の脱出を防止する目的で装用する医療器具。ヘルニアバンドともいう。腸管などの脱出を押さえるためにヘルニア門に押し当てる部分と身体に固定する部分からできている。…
【ヘルニア】より
…こうなると,腸の内腔が閉塞状態(イレウス)となるばかりか,腸やその他の臓器が血行障害のため壊死に陥る危険があるので,緊急手術でヘルニア門の絞扼を取り除く必要がある。 ヘルニアバンドもしくは脱腸帯は,ヘルニア門を圧迫して内臓の脱出を防ぎ,ヘルニア囊が癒着して自然に治癒することを期待するもので,古くからある手術によらない治療法である。しかし,治療としては不確実であるばかりか,圧迫している部分に皮膚炎を起こしたり,腹壁の萎縮を起こすなど欠点も多く,現在では手術ができない場合にのみ使用されている。…
※「ヘルニアバンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」