世界大百科事典(旧版)内のベネベント体の言及
【書】より
…イングランドとアイルランドで7~12世紀に行われた聖典用の書体は,ヨーロッパ大陸とは異なる発達を遂げ,アイルランド・サクソン美術の伝統に由来する多様なモティーフによる装飾頭文字を創出し,華麗で独創的なカリグラフィーを作り上げた(《ケルズの書》800ころ,等)。南イタリアでは躍動的で独特のリズムをもったベネベント体Beneventanが発達し,モンテ・カッシノ修道院工房を中心にダルマツィアにまで広がり,13世紀ごろまで隆盛をみた。 カール大帝治下のカロリング朝では,古代復興政策の下に規則的で均衡のとれた明快なカロリング小文字Carolingian minusculeが使用され(《ゴデスカルク福音書》8世紀末,等),800年ころまでに帝国の諸工房に急速に普及した。…
※「ベネベント体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」