ペニンスラール(読み)ぺにんすらーる

世界大百科事典(旧版)内のペニンスラールの言及

【クレオール】より

…しかし,時の経過とともに,他国出身であっても,新大陸で生まれた者,新大陸に定着した者を指す言葉としても用いられ,アフリカから連れて来られた黒人と区別するため,新大陸生れの黒人がクリオーリョと呼ばれることもあった。 これに対しスペインで生まれたスペイン人はペニンスラール(半島生れ)と呼ばれ,ガチュピンやチャペトンという蔑称で呼ばれることもある。彼らは高位聖職者,高級官吏,御用商人などとして新大陸へ来ていた。…

【メキシコ】より

…メキシコは1821年にスペインから独立したが,こうした社会構造そのものにはあまり変化がみられなかった。なぜならば独立戦争そのものが,政治などの実権を牛耳るペニンスラール(本国から派遣されたスペイン人)の支配を不満とするクリオーリョ(新大陸生れのスペイン人)の反乱という側面が強かったからである。したがって,独立後,法の下の平等はうたわれたが,現実にはペニンスラールに代わってクリオーリョが支配者の座に就いただけであった。…

【メスティソ】より

…しかし,時代が下るにつれ人口も増え,社会的地位も安定し,植民地時代における平均的地位は,次のように各種の人種の中間に位置した。高いほうから列挙すると,(1)ペニンスラール(イベリア半島人=スペイン人),(2)クリオーリョ(新大陸生れの白人,クレオール),(3)メスティソ,(4)ムラート,サンボ(インディオと黒人の混血),自由身分の黒人,(5)奴隷(黒人,ユダヤ人,イスラム教徒),(6)インディオ,の順であった。時代が進むにつれ,ペニンスラールはクリオーリョに凌駕(りようが)され,19世紀初頭に諸国で起こった対スペイン独立運動は,クリオーリョを主力として推進された。…

【ラテン・アメリカ】より

…特徴的なのは,その白人の支配階級内部に分裂,対立が生じたことである。クリオーリョと呼ばれる植民地生れのスペイン人とペニンスラールと呼ばれるヨーロッパ生れのスペイン人は法的には平等であったが,実際にはクリオーリョは植民地時代全般を通じてペニンスラールと区別されて,教会関係や行政上の高位の官職や大規模な交易からは除外されていた。しかし,クリオーリョは鉱山,プランテーション,牧畜などでしだいに富を蓄え,それにともないペニンスラールに対する憎しみも激しくなっていった。…

※「ペニンスラール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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