世界大百科事典(旧版)内のホール,E.T.の言及
【空間】より
…方向の認識もさまざまの変異がみられるが,ここでは空間の距離的認識について述べる。 人間の無意識的な距離的認識については,ホールEdward T.Hallのプロクセミクスproxemicsが重要である。彼は,人間と人間が接触するとき,4種の距離のとり方があると主張した。…
【場】より
…さらにこうした発想は文化人類学においても顕著である。E.T.ホールの個人のもつ個体空間〈バブルbubble〉のような着想から,一つの文化圏それ自体が一つの場として,人間行動を支配する“歪んだ”空間であると考えるエスノメソドロジーに至るまで,場の概念は広範に広がっている。 哲学においては,サルトルの〈状況〉や,実存主義における〈世界〉は,自己実現を可能にするものであると同時に,自己実現を限定する役割も担うと考えられる。…
【プロクセミクス】より
…各文化は人対人,人対物,物対物の空間的関係について,意識的・無意識的に独自の認識枠組みを形成している。この研究分野は,個別文化におけるこの種の認識枠組みを明らかにするとともに,それらに比較文化論的検討をも加えようとするもので,アメリカの文化人類学者ホールE.T.Hallの1950年代の研究に端を発する。 たとえば日本文化において,畳の上の特定の位置に特定の姿勢で腰を下ろすことは,部屋の構造,家具の配置,同室内の他者の位置などとの関係によって,尊大,謙譲,不躾(ぶしつけ),恐縮その他,さまざまの意味を帯びてくる。…
※「ホール,E.T.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」