世界大百科事典(旧版)内のポーランド派の言及
【イギリス映画】より
…また一方では,《狙われた男》(1959),《コンクリート・ジャングル》(1960)から《暗殺者のメロディ》(1971)等々の,やはり〈赤狩り〉からの亡命監督J.ロージーの〈イギリス映画〉がある。さらにこうした〈亡命者のイギリス映画〉は,R.ポランスキー監督《反撥》(1964),《袋小路》(1966),J.スコリモフスキー監督《ジェラールの冒険》(1969),《早春》(1970)など〈ポーランド派〉の亡命監督たちの〈イギリス映画〉にまで広がって,一種の〈無国籍映画〉の系譜を形づくっている。60年代に入るとアメリカ人のプロデューサー,H.サルツマンとA.ブロッコリが,イギリス伝統のスパイ小説(イアン・フレミング原作)から〈007〉シリーズを作り(またサルツマンは,レン・デートン原作による《国際諜報局》(1965)など〈ハリー・パーマー〉シリーズも製作),さらにS.キューブリックがイギリスで製作・監督した〈ハリウッド映画〉,《2001年宇宙の旅》(1968),《時計じかけのオレンジ》(1971),《バリー・リンドン》(1975)などを経て,70年代後半から80年代にかけては,ロシア人やイタリア人のプロデューサーによるアメリカン・コミックや,SFのヒーローの復活をイギリスの撮影所で撮った〈スター・ウォーズ〉シリーズ,〈スーパーマン〉シリーズ,《フラッシュ・ゴードン》などが作られるといったぐあいに,アメリカ映画をイギリスで作ることがひとつの大きな流れになっている。…
※「ポーランド派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」