マカーリー(読み)まかーりー

世界大百科事典(旧版)内のマカーリーの言及

【ストグラフ会議】より

…さらに教会財産の肥大化と修道院の所領拡大は為政者にとって大きな弊害となっていた。会議は教会と修道院の改革を目標に開かれ,モスクワ府主教マカーリーMakarii(1482‐1563)が主宰した。しかし典礼文と教会慣行の修正は実現せず,従前のものがすべて正しいとされた。…

【モスクワ・ロシア】より

…これはイタリア・ルネサンスがロシアに残した記念碑であるが,中世末のモスクワ文化自体,キエフ・ロシアの文化への強い関心という点も含め前期ルネサンス的性格をもっていた。16世紀の国家的事業としての年代記編集や,イワン4世の師傅(しふ)でもあったロシア府主教マカーリーを中心とするグループによるロシア聖者伝の一大集成は,モスクワ国家とロシア教会の統一理念の高揚を物語っていた。教会はストグラフ会議で典礼の統一をはかり,モスクワの府主教座も1589年,ギリシア正教会で5番目の総主教座に昇格した。…

【ロシア文学】より

…しかし極端な鎖国政策がとられ,ロシアは西欧からも他のスラブ諸国からも完全に孤立した。神政国家の理念の代弁者であったモスクワ府主教マカーリー(1483ころ‐1563)の《大聖者伝集成Velikie Chet’i‐Minei》(1552)はロシアの民衆の宗教心を養う糧となり,民衆の信仰を通して19世紀ロシア文学にも大きな影響を与えた。16世紀には,〈政治的社会評論〉の傑作であるイワン雷帝と彼に敵対するクールプスキーAndrei Mikhailovich Kurbskii公(1528‐83)との《往復書簡》(1564‐1579),家父長主義のみごとな表現である《家政訓Domostroi》(16世紀初頭)など特異な作品が多い。…

※「マカーリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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