世界大百科事典(旧版)内のマジュヌーンの言及
【ジン】より
…人間と居住空間を同じくし,いたずら好きで,時には人間を死にすら至らせる霊鬼であり,とくにその頭領がイブリースIblīs(サタンのひとり)だとして恐れるのが一般人のジン観である。ジンに取り憑かれた人をマジュヌーンmajnūnといい,その語は後にもっぱら〈狂人〉の意味で用いられるようになったが,取り憑かれたジンの種類によってその特徴は異なる。マジュヌーンの一般的特徴は雄弁多才なことだとされ,詩人,歌手,巫女,占い師,説教師などは触霊によるとみられた。…
【ライラとマジュヌーン】より
…イスラム文化圏で広く親しまれている悲恋物語。アラブ世界では〈マジュヌーン・ライラ〉として知られる。家柄も教養も良く育った2人であったが,詩才豊かな主人公カイスは恋人ライラの名前を,ある詩の中に叙してしまったために,恋人の家柄を著しく傷つけ,そのため求婚も拒絶されてしまう。…
※「マジュヌーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」