世界大百科事典(旧版)内のマチューシン,M.V.の言及
【マレービチ】より
…彼の立体未来派は最初F.レジェの円管主義に未来派の色彩を付したものであったが,1913年には分析的キュビスムとロシア未来派の詩の影響をうけて言語イメージと関連する〈超意味的リアリズム〉あるいは〈アロジズム〉と呼ばれる作品《牛とバイオリン》に達する。大胆な実験はさらに続き,同年マチューシンMikhail Vasilievich Matyushin(1861‐1934)のオペラ《太陽の征服》の舞台背景に幾何学形態を絵画記号として使用することを思いつき,その後これを〈シュプレマティズム〉の作品として描き,15年にペトログラードで35点を一挙に発表した。なかでも代表作《黒い正方形》は,彼の言う〈形態のゼロ〉として描かれたもので,キュビスムのいう概念の芸術をさらにすすめた理性の芸術となっている。…
※「マチューシン,M.V.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」