マラベートラム(読み)まらべーとらむ

世界大百科事典(旧版)内のマラベートラムの言及

【香料】より


[西の香辛料と東の薬味]
 インドから東の東南アジアにかけて広く生育する肉桂はシナモンとカシアで代表されるが,その歴史はインドが最も古いようで,まず西北部インダス川の上流地方から東はネパール,シッキム,アッサムにかけて,葉にオイゲノール(丁子ようのにおい)と樹皮にリナロール分(樟脳ようのにおい)を含む肉桂種(カシア・リグネアCassia ligneaが中心)が,薬用と調味料にあてられている。ミャンマー奥地の山岳地帯のこの種の肉桂の乾燥葉がマラベートラムといって,紀元前後にはローマに転送され,化粧料,ブドウ酒の賦香料,薬用として珍重されている。南部マラバルの肉桂はスパイス用として最も適するものであるが,この使用は北部のカシア・リグネアよりもおくれ,紀元前をそうさかのぼらないころと推定される。…

※「マラベートラム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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