世界大百科事典(旧版)内のムハンマド家の言及
【アッバース朝】より
…
[成立]
アッバース朝の成立をもたらしたものは〈アッバース朝革命〉と呼ばれている大規模な組織運動であった。ウマイヤ朝(661‐750)時代,幾度かの内乱や反乱が起こったが,そうしたウマイヤ家の支配に反抗する者たちの間から,イスラム教団国家の最高責任者として,イスラム法を施行できる唯一の資格ある者は,預言者ムハンマドの家族,すなわち〈ムハンマド家〉出身者でなければならず,その点ウマイヤ家は資格なしとする思想がしだいに広がった。ムハンマドの叔父アッバースの子孫であるアッバース家は,この思想を利用してウマイヤ朝打倒の地下運動を起こし,最高指導者が誰であるか名前を伏せたまま秘密の宣伝者(ダーイー)を各地に派遣した。…
【家】より
…たとえば,ウマイヤ朝期には,アルバイトは,多くウマイヤ家を指した。また,アフル・アルバイトはとくに〈ムハンマド家〉の意味に用いられることがあり,この意味でのアフル・アルバイトの範囲は,スンナ派の各法学派やシーア派の間に見解の差があって一致しない。 オスマン帝国統治下のエジプトのマムルークの社会では,バイトはマムルークの領袖の家を意味し,その名を採ったバイト何某という表現は,その領袖のもとに集まったマムルークの集団を意味した。…
※「ムハンマド家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」