メダンのグループ(読み)めだんのぐるーぷ

世界大百科事典(旧版)内のメダンのグループの言及

【自然主義】より

…しかし,この小説論は,その極端な立論を通して,少なくとも,素朴な熱情にも似た科学への信仰を共有することによって時代精神に適合した自然主義の一面,この文学思想の根底にある科学主義志向を最も端的に表し伝えている点で,自然主義の代表的文学理論の一つに数えられる。 1870年代の半ばごろからゾラの周辺に集まった自然主義派の若い作家たちは,会合の場所であったゾラの別荘がメダンにあったことから〈メダンのグループ〉と呼ばれるが,これに属するモーパッサン,J.K.ユイスマンス,H.セアール,L.エニック,P.アレクシの5人は,1880年,首領格のゾラとともにおのおの1編ずつの短編を持ち寄って作品集《メダンの夕べ》を公刊し,自然主義文学派の存在を強く印象づけた。これらの作家たちのほかに,自然主義派ないしそれに近い作家としては,日本にも早くから紹介されたA.ドーデ,O.ミルボー,劇作家H.F.ベックらがいる。…

※「メダンのグループ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android