六訂版 家庭医学大全科 「メネトリエ病」の解説
メネトリエ病
メネトリエびょう
Menetrier's disease
(食道・胃・腸の病気)
どんな病気か
胃の巨大
原因は何か
低蛋白血症は、胃の粘膜から血液中の蛋白がもれ出ることで起こります。成人ではグラム陰性菌のヘリコバクター・ピロリ、小児ではサイトメガロウイルスが重要で、いずれもそれぞれの感染症の一部として理解されています。
症状の現れ方
初期では、主に上腹部痛や嘔吐、あるいは下痢などの消化器症状が現れます。進行すると、低蛋白血症のために貧血や浮腫(むくみ)がみられるようになり、疲れやすい、全身がむくむなどの症状が出てきます。
検査と診断
胃内視鏡検査が最も重要で、胃粘膜の巨大な肥厚が観察されます。また、胃内視鏡検査の時に生検(組織の一部を採取して調べる検査)を行うと、組織に胃粘膜の最も表層にある
区別すべき病気としては、胃がんや胃リンパ腫が最も重要です。
治療の方法
潰瘍を併発していれば、胃酸分泌抑制薬などの抗潰瘍薬を服用します。低蛋白血症に対しては、高蛋白食を数回に分けて摂取するようにします。ヘリコバクター・ピロリやサイトメガロウイルスの感染が証明されれば、それぞれの治療を行います。
これらの治療が無効な場合で、胃粘膜からの蛋白漏出の程度が強いことが証明されれば、胃の部分切除術を考慮します。
病気に気づいたらどうする
メネトリエ病は、無症状で健診などで偶然に発見されることも多い病気です。消化器症状や疲れやすさなどがあったら、消化器科を受診しましょう。
桑山 肇
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報