モレリ式鑑定法(読み)もれりしきかんていほう

世界大百科事典(旧版)内のモレリ式鑑定法の言及

【鑑定】より


[欧米]
 真贋問題も含めた鑑定の歴史は西洋ではルネサンス時代にさかのぼるが,しかし近代的な意味での鑑定が行われ始めたのは,美術館が整備され,その所蔵品の整理,研究,あるいはカタログ化が盛んになり,また美術史そのものの研究が飛躍的な展開を見た19世紀後半からである。イタリア人のG.モレリはその最初の重要な人物で,いわゆる〈モレリ式鑑定法〉の創始者として知られる。これは,画家の様式的・技法的特色,いわばその筆跡が最も端的に現れるのは人物の目,耳,手足,爪などの細部であるとし,この部分を重点的に比較研究する方法で,B.ベレンソンにも影響を及ぼした。…

【モレリ】より

…当時流行の科学的実証主義を基盤として,絵画の作者決定(鑑定)を完全に科学的方法によって行おうとした。具体的には,彼は画中人物の耳や指など造型的に比較的重要でない部分に画家の癖や様式が表れるとし,それによる作者決定(いわゆる〈モレリ式鑑定法〉)を試みた。現在ではその方法を全面的に応用する研究者はいないであろうが,補助的に援用するかぎりにおいては,今なお有効性をもつ。…

※「モレリ式鑑定法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android