モレル,E.D.(読み)もれる

世界大百科事典(旧版)内のモレル,E.D.の言及

【アフリカ】より

…しかしレオポルド2世の苛斂誅求ぶりが典型的に示されたのは,ゴムと象牙の採集のために導入された強制労働政策で,割当量を採集できなかった者は手を切り落とすといった残虐な処罰すら課せられた。こうした苛斂誅求ぶりに対しては,さすがに国際世論も黙ってはおらず,イギリスをはじめ欧米諸国政府はこれをベルリン協定違反として激しく非難し,また民間レベルでもイギリスにコンゴ改革協会が組織され,同協会の指導者E.D.モレル(1873‐1924)がその著《赤いゴム》でレオポルド2世の犯罪的な暴政をきびしく告発したのをはじめ,多方面から批判の声があがった。1908年にいたってコンゴ自由国がベルギー政府の手に移管されたのは,こうした批判にレオポルド2世が抗しかねたことにもよるのである。…

【コンゴ民主共和国】より

…コンゴ自由国は事実上レオポルド2世の私的植民地として他に類例を見ないほどの暴政のもとに置かれ,住民の土地に対する組織的収奪,ゴム農園の開発や象牙の採集を目的とした非人道的な強制労働制度の導入などのために,レオポルド2世はイギリスをはじめとする欧米諸国からベルリン協定違反として厳しい非難を浴びせられた。また民間レベルでも,イギリスのモレルEdmund Morel(1873‐1924)のように1904年にコンゴ改革協会を組織し,《赤いゴム》などの著作によってレオポルド2世の暴政を告発する人々が少なからず現れ,コンゴ自由国の立場はいっそう苦しいものとなった。レオポルド2世は06年以降アフリカ人首長の権限の部分的承認,ゴムの強制集荷の廃止などを含む一連の改革を導入しようとしたが,国際世論の非難をかわすことができず,08年にコンゴ自由国の統治権をベルギー政府に移管し,ここにベルギー領コンゴが正式に誕生した。…

※「モレル,E.D.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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