ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤクシニー」の意味・わかりやすい解説
ヤクシニー
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…(3)夜叉,薬叉(ヤクシャyakṣa) 森の神として福神と鬼神の両面をもつ。夜叉女(ヤクシーyakṣī,ヤクシニーyakṣiṇī)は多く豊満な裸女で表され,毘沙門天の部下とされる。(4)乾闥婆(けんだつば)(ガンダルバgandharva) 帝釈天に仕える音楽神で香(ガンダgandha)を食べて生きるとされ,ギリシア神話のケンタウロスとの関係も指摘されている。…
…ヤクシャはベーダが作られた時代(前2000‐前500ころ)には早くも守護神として現れ,ヤクシャの女神であるヤクシーは,さらに古い時代から山や樹木の精,あるいは生産力の象徴である地母神として信仰された著名な存在であった。ヤクシーはヤクシニー(薬叱尼,薬廁抳)ともいわれ,樹下に立つ豊かな肉身の美人像として表現され,インド美術を代表する傑作が多い。両者とも仏教の初期から仏教世界に登場し,サーンチーの塔門(前2世紀ころ)やバールフットの欄楯(らんじゆん)(前1世紀ころ)に守門神的な性格の尊像として表現されている。…
※「ヤクシニー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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