世界大百科事典(旧版)内のヤコビの行列式の言及
【座標】より
… より一般な(必ずしも一次ではない)座標変換(1)においても上に述べた群の性質が備わっている。その場合,(3)のdetAに相当するものは変換関数xi(x′)から作られるヤコビの行列式,であり,これが0でなければ逆変換xi′=xi′(x)が求められる。J(x′)は座標変数xiでの積分をxi′での積分で表すための体積要素間の関係dx1……dxn=J(x′)dx1′……dxn′にしばしば現れる。…
【積分】より
…x=φ(u,v),y=ψ(u,v)により,uv平面上の点集合Bからxy平面上の点集合Aへの1対1の写像が与えられていて,φ,ψはu,vに関して連続偏微分可能とする。このとき,とすると,A,Bのうち一方が面積確定なら他方も面積確定で,(7)の行列式を関数行列式,またはヤコビの行列式(ヤコビアンJacobian)という。とくに,x=rcosθ,y=rsinθ(二次元の極座標)とすると,であるから, 三次元の場合にはx=φ(u,v,w),y=ψ(u,v,w),z=χ(u,v,w)について上と同様な仮定のもとに,関数行列式,を用いて(8)と同様な公式を書くことができる。…
【置換積分法】より
…定積分の場合は,φ(t)が区間α≦t≦βで微分可能な増加関数であって,φ′(t)がこの区間で積分可能ならば,a=φ(α),b=φ(β)とするとき,a≦x≦bで積分可能な関数f(x)に対して次の公式が成立する。 2変数の関数の場合は,適当な滑らかさの条件を満たす関数x=φ(u,v),y=ψ(u,v)によって,(x,y)平面の領域Aと(u,v)平面の領域Bとが1対1に対応するならば,ここに,であって,この行列式はφ,ψのu,vに関する関数行列式,またはヤコビの行列式と呼ばれる。例えばA={(x,y)|x2+y2<a2}のとき,x=rcosθ,y=rsinθによって直交座標(x,y)を極座標(r,θ)で置換すると,AはB={(r,θ)|0≦r≦a,0≦θ<2π}に1対1に写され,関数行列式=rとなり,となる。…
※「ヤコビの行列式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」