世界大百科事典(旧版)内の《ラ・ガラテーア》の言及
【セルバンテス】より
…折しもカトリックによる世界征覇を夢見た祖国にもかげりがさし,スペインは急速に衰退の道をたどるようになる。11年にわたる外国滞在はセルバンテスの意識と祖国スペインとの間に大きな溝をつくったと考えられるが,事実,過去の戦功がいっさい顧みられることなく,職にありつけなかった彼は,文筆に活路を求めて牧人小説《ラ・ガラテーアLa Galatea》(1585)といくつかの戯曲を書いたものの成功しなかった。かくして87年から15年余の長きにわたって,海軍の食糧徴発人に,また収税吏に身をやつしてアンダルシア各地を歩き回り,入獄までしながら,不明な部分の多いアウトサイダー的な生活を送る。…
※「《ラ・ガラテーア》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」