世界大百科事典(旧版)内のラガーツ,L.の言及
【弁証法神学】より
…〈危機神学Theologie der Krisis〉とも呼ばれる。この運動の中心人物であったK.バルトは,ブルムハルト父子の影響をうけたクッターH.Kutter(1863‐1931)とラガーツL.Ragaz(1868‐1945)とともに宗教社会主義運動に加わっていたが,《ローマ人への手紙》(第2版,1922)においてキルケゴールのいう〈神と人間との絶対の質的差異〉をモットーとし,ドストエフスキーやニーチェからも時代の本質的な危機を学んで,19世紀の文化的キリスト教を激しく非難し,キリスト教の終末論的本質と教会の罪とを明らかにした。また当時発見されたルターの《ローマ人への手紙講義》に学び,信仰の矛盾にみちた逆説性と神の言葉の破壊と建設の力を強調したことからして,〈弁証法神学〉の名がこれに帰せられた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」