ラティフォンド(読み)らてぃふぉんど

世界大百科事典(旧版)内のラティフォンドの言及

【イタリア】より

…もっとも,統一国家が成立したとはいえ,当時のイタリアは〈圧倒的な農業国〉であった。しかも,北西部のポー川流域の平野部では比較的進んだ大規模な酪農・稲作経営が発達していたものの,中部では中世以来の伝統的な折半小作制,南部では粗放的な穀作・牧羊を軸にした大土地所有制度(ラティフォンド)といった伝統的な農業経営が支配的であった。しかしながら,1880~90年代になると,近代的大工業が創設され,銀行制度が整備された。…

【シチリア[島]】より

…そして,新国家に対する不満は1866年のパレルモの反乱を招いた。
[大借地人層の支配]
 シチリアの社会構造は大きく内陸部と沿岸地帯の二つに分けて考えられ,内陸部ではラティフォンドとよばれる大土地所有が支配的で,穀作と牧羊を主とする粗放農業が営まれた。内陸部の1村ごとの面積規模は大きく,北イタリアの数ヵ村分に相当したが,居住地は小高い丘の上の1ヵ所に集中しており,教会,役場,広場,商店,豪壮な屋敷と並んで農民の家屋もそこに密集して建てられた。…

【シチリア・ファッシ】より

…また過酷な条件におかれた硫黄鉱山の労働者の間にも広まった。ラティフォンド(大土地所有制)のもとにある農民は,ファッシを通じて小作契約改善の要求をかかげるとともに,村行政の改革をも求めた。ファッシの数は93年末に全体で180近くに達した。…

【メッツォジョルノ】より

…平野部の面積は狭く,海岸線に沿ってわずかにみられるにすぎない。沿岸平地部ではオリーブ,ブドウ,かんきつ類など果樹栽培による集約農業が特徴であるが,内陸部では大土地所有制(ラティフォンド)のもとで粗放的な穀作と牧羊が営まれてきた。
[社会の特徴――アグロ・タウンと大土地所有]
 内陸部ではいわゆるアグロ・タウンagro‐townと呼ばれる集中居住形態がとられ,通常は小高い丘の上に一村の住民全員が集中して住んでいる。…

※「ラティフォンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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