世界大百科事典(旧版)内のリュンケウスの言及
【ダナオス】より
…しかしアイギュプトスの息子たちが追ってきて娘たちとの結婚を迫ったため,ダナオスはやむなく同意したが,娘たちに短刀を与えて,それぞれの夫を初夜の床で殺させた。後代の伝承では,このときただひとり夫リュンケウスLynkeus(のちアルゴスの王位を継ぎ,英雄ペルセウスの祖となった)を殺さなかったヒュペルムネストラHypermnēstraを除く49人の娘は,死後,冥府で穴のあいた甕に水を満たす永劫の罰に服しているという。ダナオスとその娘たちの話は,アイスキュロスの悲劇《救いを求める女たち》によって有名。…
【ディオスクロイ】より
…父に関しては,ゼウス(ディオスクロイとは〈ゼウスの息子たち〉の意)とも,テュンダレオスとも,あるいはまた,白鳥の姿に変じたゼウスがレダと交わったあと,レダは夫とも同衾したので,ゼウスの種からはポリュデウケスとヘレネが,テュンダレオスの種からはカストルとクリュタイムネストラが生まれたともされる。この兄弟はイアソンを指揮者とするアルゴ船の遠征(アルゴナウタイ伝説)に参加したあと,叔父アファレウスAphareusの子のイダスIdasとリュンケウスLynkeus兄弟の許嫁であった2人の娘をさらったため,あるいはイダス,リュンケウス兄弟と4人で奪った牛の分配をめぐって争ったため,カストルがイダスに殺された。このとき不死身であったポリュデウケスは,兄弟の死を悲しむあまり,自分もいっしょに死なせてくれるようゼウスに懇願すると,ゼウスは2人に,1日おきに天上と冥府で暮らすことを許したという。…
※「リュンケウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」