世界大百科事典(旧版)内のルコビッツァの言及
【ロシア・ソビエト美術】より
…最もロシア的な特徴の一つは,円蓋部が高い基壇(鼓胴部)によって持ち上げられ,それを覆う屋根,つまり主ドームと副ドームに相当する部分の金や緑,灰色などに彩られた頂冠の独特の形であり,またその形と数が,時代,地域によって変化することである。初期には,古代戦士のかぶる兜(かぶと)型をなした頭冠が多数群立したが,12~13世紀には,ルーシの統一を象徴して1基のものが,また16世紀には,モスクワ・クレムリン内の教会堂を範として5基のものが主流となり,15世紀末から17世紀にかけては,いわゆるタマネギ型(ルコビッツァlukovitsa)の頂冠へと変貌した。
[ビザンティン様式のロシア化]
こうしたロシア化は,建築を風土に適応させることによって,あるいは従来の木造建築からの影響,地域性,象徴的な意味づけなどによってもたらされた。…
※「ルコビッツァ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」