世界大百科事典(旧版)内のルノー=バロー劇団の言及
【国立劇場】より
…国家の文化政策,そしてそれに基づいての国家財政あるいは財政的援助によって,創設・管理・運営される劇場を中心にした演劇組織。多くの場合に,上演場所としての劇場と上演集団たる劇団そのほかが,一体のものとしてともに組織され,運営される。したがって,その劇団と劇場の両方が,総称としての同じ一つの名前(西欧のものが日本語に訳された場合には〈○○劇場〉などの名称)で呼ばれることが多い。
【ヨーロッパ】
西欧における国立劇場の歴史は古く,その多くはいわゆる〈宮廷劇場〉の系譜に連なり,また重なるものとしてあるが,国家が経済・芸術上の管理・運営の責任者=パトロンとなった屋内ホールの国立劇場の嚆矢(こうし)は,1680年パリに誕生した〈コメディ・フランセーズ〉である。…
【フランス演劇】より
…1943年,上演不能とされていたクローデルの大作《繻子(しゆす)の靴》を初演して以来,《真昼に分かつ》《黄金の頭》等その主要作品を上演して,〈全体演劇(テアートル・トタール)〉の実験的根拠とした。女優で夫人のマドレーヌ・ルノーと結成したルノー=バロー劇団は,戦後40年間のフランス演劇の重要な部分を体現してきた。クローデルのほかに,カミュ,サラクルー,モンテルラン,コクトー,アヌイからイヨネスコ(《犀(さい)》),ベケット(《美わしの日日》《わたしじゃない》),ジュネ(《屛風》)を経て,ビエドゥーFrançois Billetdoux(1927‐91)やM.デュラス(《一日中木立の中で》《イギリスの恋人》)等に至る新しい劇文学の上演を果たすとともに,他方では,モリエール(《人間嫌い》),ラシーヌ(《ベレニス》《アンドロマック》),マリボー(《偽りの告白》),シェークスピア(ジッド訳《ハムレット》)等の古典の新演出により,カルテルの最も正統かつ偉大な継承者となった。…
※「ルノー=バロー劇団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」