世界大百科事典(旧版)内のレアリスム館の言及
【クールベ】より
…《石割り人夫》と《オルナンの埋葬》が,50年のサロン(官展)で〈美しくないものを描いている〉という理由でスキャンダルをひきおこすなど,この時代の彼に対する批判は激しいものだったが,擁護する人々も現れ(ボードレール,シャンフルーリ,カスタニャリなど)盛んな論陣が張られた。相続くサロンでも彼は一向にその挑発的態度を控える風はなく,とくに55年の万国博覧会の際には審査員と意見が合わず,一部出品作を撤回,〈レアリスム館〉とみずから名付けた建物で個展を開き,《アトリエ,現実のアレゴリー》など40点を展示して気勢をあげた。しかし全作品の中では風景画や狩猟に題材をとったものも多く,故郷のフランシュ・コンテ地方の深い森や,ノルマンディー地方の海や波などを力強い厚塗のタッチで描いている。…
※「レアリスム館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」