レバー脱進機(読み)ればーだっしんき

世界大百科事典(旧版)内のレバー脱進機の言及

【脱進機】より

…17~18世紀には優れた科学者や時計師が競って時計機構の発明,改良に心血を注ぎ,航海用高精度時計(クロノメーター)用や小型時計用にも適用できるものなど多種の脱進機が考案された。図b,図cには現在まで広く用いられている振子時計用の退却型脱進機と携帯時計用のレバー脱進機とを例示した。どちらも振子またはてんぷの振動に伴い,アンクルの二つのつめが左右交互にがんぎ車とかみ合って,がんぎ車の回転力が振子やてんぷに伝達される。…

【時計】より


[小型化と大量生産]
 17世紀半ばの技術革新に引き続き,18世紀,19世紀にかけて脱進機とてんぷに重要な考案,改良が行われ,また新しい合金やルビー製軸受の発明も精度向上,小型化,製造の容易化などに非常に貢献している。なかでも1755年ころにイギリスのマッジThomas Mudge(1715‐94)によって発明されたといわれるレバー脱進機は,てんぷを振動機としてもつ時計にはすべて使われるようになり,精度のよい小型,薄型の提げ時計の製造を可能にした。 提げ時計はイギリス,フランス,スイスなどで作られていたが,スイスが早くから薄型で精度のよい時計を作り始めたのに対して,イギリスは重厚堅牢な時計を作り続け,フランスは優美ではあったが新技術をとり入れるのが遅かったために,スイスの時計産業が急速に伸びた。…

※「レバー脱進機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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