世界大百科事典(旧版)内のロケーション撮影の言及
【映画】より
…と同時に(あるいは書かれた台本に基づいて)プロデューサーが製作スケジュールを立て,製作費を見積り,必要に応じて銀行からの融資を受け,原則として映画監督とともに配役(キャスチング)を決める。ロケーション撮影(ロケ)の場合は,監督が中心になって,プロデューサー,撮影監督(日本では撮影技師,すなわちカメラマン),美術監督(あるいは美術担当)とともに,ロケーションハンティング(ロケハン)を行う。セット撮影の場合は台本に即して美術監督が美術設計のプランを練る(映画美術)。…
【セミ・ドキュメンタリー映画】より
…徹底的な盗み撮りで撮られた大都会の街頭は,セットやエキストラでは得られぬ生命力と現実感をもち,最後に追いつめられた犯人が橋の頂上に逃げのぼり,はるか脚下のテニスコートに遊ぶ人々が視界に入るカットの生々しさは,セミ・ドキュメンタリーの方法が単なる奇をてらった際物ではない可能性を示し,世界の映画に大きな影響を与えた。しかし,その後,物価の上昇や経費節減の影響で,ロケーション撮影は劇映画の常識となって,とくに珍しい手法ではなくなり,〈セミ・ドキュメンタリー〉の呼称も用いられなくなった。劇映画のリアリズム指向がもはやこうしたジャンルの区別を必要としなくなったのである。…
※「ロケーション撮影」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」