世界大百科事典(旧版)内のワイアット・アープの言及
【アープ】より
…アメリカ西部のガンマン。バッファロー猟師などをした後,無法者の横行したカンザス州のウィチタやドッジ・シティの保安官をつとめ,1879年,アリゾナのトゥームストーンで連邦保安官補佐に就任,81年10月26日のいわゆる〈O.K.コラルの決闘〉では友人のドク・ホリデーDoc Holliday(本名ジョン・ヘンリー・ホリデー,1851‐87)とともに主役となった。ただし彼が伝説のように正義の味方であったか否かはわからない。…
【荒野の決闘】より
…トーキー以後,この作品までにフォードが撮った西部劇は《駅馬車》(1939)1本だけであったが,この映画のヒットの後,翌47年から50年までの3年間に《アパッチ砦》《三人の名付親》(ともに1948),《黄色いリボン》(1949),《幌馬車》《リオ・グランデの砦》(ともに1950)の5本を次々とつくり,この時期にその名が西部劇と切り離せないものになる(日本では〈西部劇の神様〉と呼ばれる)。西部史上に名高い〈OKコラルの決闘〉に材をとり,保安官ワイアット・アープと無法な牧畜業者クラントン一家の対決を中心にしたプロット自体は型どおりなものだが(ランドルフ・スコット主演,アラン・ドワン監督の《国境守備隊》(1939)のリメークでもある),公開当時の批評で〈荒野,酒場,安ホテル等々,並の西部劇では単にアクションが演じられるうしろにある書割でしかないものが,ここでは物語を語り始める〉と評されたように,開拓時代の町の生活感,バーテン,旅役者,床屋等々に至る西部に暮らす人々の生き生きとした点描,そして荒涼たる風景の中に漂う詩情がこの映画の魅力を形成している。日曜日の朝,建設途上のまだ屋根のない教会でのスクエアダンスのシーンは,その最たる名場面とされる。…
※「ワイアット・アープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」