世界大百科事典(旧版)内のワカタケルの言及
【稲荷山古墳】より
…【小林 行雄】
[鉄剣銘]
河原石を用いた全長5.7m,最大幅1.2mの舟形礫床にあった遺体の左脚外側に置かれていた全長73.5cmの鉄剣の表裏に115文字の金象嵌銘文の刻まれていることが,1978年奈良・元興寺文化財研究所における保存処理作業の過程で,X線透過撮影によって判明した。 前半には上祖オホヒコ(意冨比垝)からこの銘文の主人公であるヲワケ(乎獲居)に至る8代の系譜が記され,後半には今まで代々〈杖刀人の首〉(親衛隊の長)として仕えてきたが,ワカタケル(獲加多支鹵)大王の朝廷(寺)がシキ(斯鬼)宮にあるとき,ヲワケがその統治を助けた記念として,この刀を作り来歴を記した旨が刻まれている。ワカタケル大王を大泊瀬幼武天皇(《宋書》倭国伝にみえる倭王武で,雄略天皇),シキ宮を大和の磯城に当て,辛亥年をその治世の471年に比定する説が有力である。…
※「ワカタケル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」