世界大百科事典(旧版)内のワッツ,A.の言及
【神秘主義】より
…人間疎外が進む現代文明の中で,心と体を分離して考えず,自然との一体化を目ざす東洋神秘主義に健康と素朴な幸福を求める安直な風潮も含みながら,この動きは自給自足体制や生態学的原理にもとづくコミューン建設熱を助長し,またアメリカを中心としてカルト熱をあおった。それに続き,LSDやメスカリンの使用が物質と精神の二元性,意識の日常性を超える手段として注目を集め,A.ハクスリー,H.ミショー,ワッツAlan Watts(1915‐73),カスタネダCarlos Castaneda(1931‐ )などがその新たな神秘体験に挑んだ。現代の若者文化が示すドラッグやヨーガへの関心は,現代文明と既成宗教への批判と反発を含み,そこから神秘主義との接点が生じたといわれる。…
※「ワッツ,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」