世界大百科事典(旧版)内のワラキア人嘆願書の言及
【ルーマニア】より
… ところが18世紀後半,まずトランシルバニアのルーマニア人の間に民族運動が起きると,そのような同族意識は一つの政治理念にまで高められることになった。そのために重要な役割を果たしたのは,いわゆるトランシルバニア学派の思想家の著作や,〈Supplex libellus Valachorum〉と呼ばれる〈ワラキア人嘆願書〉であった。後者はトランシルバニアのルーマニア人の代表者が同地方を支配していたオーストリア皇帝に提出したもので,ルーマニア人がトランシルバニアの諸住民のなかで最古からの居住者であるばかりでなく,人口的にも多数を占めているという新たな原理を根拠にして,ドイツ人(ザクセン人),ハンガリー人,セーケイ人と同等の民族的権利を要求している。…
※「ワラキア人嘆願書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」