知恵蔵 「ワンオペ」の解説 ワンオペ ゼンショーホールディングス傘下の企業が運営する牛丼のチェーン店「すき家」が行っていた、店員1人だけで店舗を運営する方法のこと。ワン・オペレーションの略称もしくは、社内の通称と思われる。過酷な長時間労働を強いるだけでなく、店員の手薄を狙う強盗事件の多発を招き、大きな批判を呼び起こした。 激しい価格競争と長時間営業を繰り広げる牛丼チェーンの業界は、労働効率の向上が強く求められてきた。同社は殊に労働生産性の追求を徹底し、深夜については入店客への対応、調理、会計、清掃、仕込みなど全ての業務をアルバイトやパートも含む店員が、1人だけでまかなう勤務方式を強力に進めた。過度の負担や犯罪被害の危険を強いる労働環境が社会的に非難されたり、新たに導入されたメニューで店員の負担が増したりといったことから従業員の退職が相次いだ。こうして人員不足に陥り、深夜営業の中止や一時閉店を迫られる店舗が急増した。同社は2014年4月に弁護士などを招いて、労働環境改善に関する第三者委員会を設置。その報告の中で、かねてから指摘されていた同社の経営風土などの問題点が明らかになった。現在は、深夜の複数勤務体制の確立など労働環境改善を目指しているという。これらの経緯が社会的に注目を浴び、「ワンオペ」の語が2014年のユーキャン新語・流行語大賞候補にノミネートされた。 (金谷俊秀 ライター/2014年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by