アスピディン(読み)あすぴでぃん

最新 地学事典 「アスピディン」の解説

アスピディン

aspidin

最古の魚類である無顎綱異甲目の皮甲をつくる骨様組織。W.Gross(1930)命名基底層は層板状,その上は多数の髄腔を含む海綿骨状の組織からなる。コラーゲン線維上に水酸りん灰石の微結晶が沈着して形成されたもので,骨の一種と考えられるが,骨細胞を含む骨小腔や骨細管をもたない。ただし,進化したものでは有細胞性のものや,わずかながら改造能力をもつものも知られている。原始的な骨の先祖とする説と,二次的な派生物とする説がある。L.B.Halsteadらは,骨・象牙質・セメント質などの共通の先祖である原始的な硬組織と考えている。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

関連語 後藤

世界大百科事典(旧版)内のアスピディンの言及

【甲】より

…頭部の甲を頭甲,胸部の甲を胸甲という。これらの甲の本体は骨だったが,現在の脊椎動物の骨とは少し異なって骨細胞を含まないものだったため,区別してアスピディンaspidinとも呼ばれる。この骨板の表面を現在のサメの体表のように,歯と同様のものが覆いつくしている種類があった。…

【骨】より

…皮甲はおそらく当時の水生無脊椎動物に対する防護物で,のちに述べるような〈付加骨(皮骨dermal bone)〉として真皮の中に形成されたものと考えられている。もっともこの皮甲は現在の脊椎動物がもつ骨と必ずしも同じものではなく,〈アスピディンaspidin〉と呼ばれる骨に類似の組織でできている場合が多かった。これは,その内部に細胞要素を含まず自己改造の性質をもたないものだったため,骨の先駆体だったのだろうと考えられる。…

※「アスピディン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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