イデオロギーの終焉論(読み)いでおろぎーのしゅうえんろん

世界大百科事典(旧版)内のイデオロギーの終焉論の言及

【イデオロギー】より

…しかもスターリン批判やハンガリー事件の勃発など,現実の社会主義社会における否定的現象の続発は,急進的知識人の間にマルクス主義への幻滅感を生んでいる,という。イデオロギーの終焉論者によれば,今や必要なのは未知数的要素と危険に満ちたイデオロギー的構想に基づく社会の全面的変革ではなく,信頼のおける科学的知識と技術とを用いた社会の部分的改造のつみ重ねである。イデオロギーの終焉論者によると,イデオロギーという概念は今や死語になりつつあり,資本主義国家と社会主義国家が今後向かう方向は,イデオロギー対立をこえた共通の〈産業社会〉であるという。…

【産業社会】より

…一般的には,産業革命の後に生まれた社会を指す。ときに工業社会と等置されるが,脱工業社会post‐industrial societyをも含めて産業社会と呼ぶ場合がある。資本主義,社会主義の区別を超えて,産業社会という用語が使われる。通例,長期の歴史変動に関して,前工業社会(牧畜・農耕社会)→工業社会→脱工業社会という段階論的な図式の用いられることが多い。
[工業社会の性格]
 工業社会という場合,製造業,ブルーカラー労働者,大量生産技術など産業・職業構造と技術の特徴にそってその性格が特色づけられるが,さらに工業化に伴う社会構造上の変化という面でも,次のようないくつかの特徴が見いだせる。…

【知識人】より

…ふつう,知識人という場合の知識は,intelligenceではなくて,intellectを指す。すなわち,intelligenceとは,それぞれの学問や芸術において,すでに正当化されている認識パラダイムを遵守し,その規範的枠組み内部で業績や〈生産性〉を追求する知的能力であり,そのかぎりにおいて〈把握,操作,再調整,整理などをこととする〉精神の一側面である。それに対して,intellectとは,〈創造性〉を求めて既定の認識パラダイムの拘束から自己解放し,新たな認識基盤を構築せんとする知性であり,その意味で〈批判,創造,観照などをこととする〉精神の一側面である。…

※「イデオロギーの終焉論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android