ウィウァリウム(読み)うぃうぁりうむ

世界大百科事典(旧版)内のウィウァリウムの言及

【カッシオドルス】より

…同時にギリシア文化のイタリア土着化も推進。とくに540年ころ,南イタリアの南端スキュラケウム近郊,ペレナ川のほとりに図書館を付置した〈ウィウァリウム(養魚池)〉と称する修道院を設立,文献の収集・翻訳,写本の製作や修道士の教育をなし,中世修道院の学問活動の模範を提示した。著書《聖学ならびに世俗的諸学綱要》とくにその第2部は,〈自由学芸〉の構成が7科に定着し(自由七科),また聖書研究に多大の影響を及ぼした。…

【修道院】より

…しかし学問を愛した修道士は彼らだけではない。ゴート戦役(535‐553)のさなかの540年ころ東ゴート王国の高官の地位を捨てたローマ人カッシオドルスが南イタリアに建てたウィウァリウムVivarium修道院はその豊富な図書と整備された図書管理によって,以後の西欧における修道院図書館の手本となり,文化の保存と伝承に大きな役割を果たした。イタリアではそれ以上に後々まで強い影響力を及ぼす修道院がその少し前の429年ころに建てられた。…

【図書館】より


[中世]
 東ゴート族の王テオドリックに仕えたローマ人カッシオドルスは,アレクサンドリアのムセイオンをモデルに大学と図書館とを兼ねたようなものの建設を考えていた。しかしそれが実現するのは引退後の540年ころ,みずからウィウァリウムVivarium修道院を建て,これに図書館を併置したときであった。そこには写字室(スクリプトリウムscriptorium)が設けられ,ギリシア語の文献がラテン語に翻訳され,彼のおかげで古典的な学問が伝えられることになる。…

※「ウィウァリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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