ウード(パリ伯)(読み)うーど

世界大百科事典(旧版)内のウード(パリ伯)の言及

【カペー朝】より


[成立と権力基盤]
 カペー家les Capétiensはその登極以前に,ライン地方から移ってきた北フランスの豪族ロベール・ル・フォールRobert le Fort(?‐866)を始祖とするロベール家の前史をもつ。2代目のパリ伯ウードEude(s)はノルマン人と戦ってパリを防衛し,西フランクの王位につく。ウードの治世(888‐898)はカロリング王権の衰退と領邦(プランシポーテprincipauté)の成立という二重の意味で,新時代の開幕を告げるものであった。…

【バイキング】より

…イングランドではアルフレッド大王がねばり強い反撃を組織し,デイン人の首領グソルムとの協定(886)によって,イングランド北東部はデイン人のものにとどまったが(デインロー),南西部はウェセックスのものとなった。パリでは884‐885年ころのバイキングの大襲撃が,パリ伯ウード(カペー朝の祖)の指揮する防衛によって撃退された。880年代からライン・モーゼル川流域を攻略し,クサンテン(882),アーヘン,ケルン,コブレンツ,トリール(883)などを略奪・破壊したライン・バイキングは,991年,東フランク王ケルンテンのアルヌルフ遠征軍によって,ルーバン(ルーベン)付近で壊滅させられた。…

※「ウード(パリ伯)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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