エスニックスポーツ(読み)えすにっくすぽーつ(英語表記)ethnic sport

知恵蔵 「エスニックスポーツ」の解説

エスニックスポーツ

世界各地で統一されたルールのもと実施されている近代スポーツと異なり、特定の民族、集団によって行われる伝統的なスポーツ。地域の気候や地形、民族の習俗、宗教の影響や、農耕サイクルなど生業暦とのかかわりをみることもできる。ヨーロッパにみられるものには、フランスのペタンクやロングポーム、スペインバスク民族のペロタ、イギリスのダーツやハイランド地方の丸太投げなどがある。アジア系のエスニックスポーツの事例では、東南アジアにみられる小型のボートレースのペーロン、マレーシアやタイにみられる足で行うバレーボールセパタクロー、南アジアで人気のある鬼ごっこのようなカバディ、その他日本の大相撲の横綱朝青龍も行っていたモンゴル相撲(ブフ)や、韓国には韓国相撲(シルム)、中国の太極拳、日本の蹴鞠など。ラテンアメリカのブラジルには民族舞踊と格闘技が融合したカポエイラがある。

(高橋義雄 名古屋大学総合保健体育科学センター講師 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android