世界大百科事典(旧版)内のエチオプラストの言及
【色素体】より
…動物細胞・菌類に欠けているが,分裂組織など未分化な植物細胞にみられ,大きさ1~3μmの桿(かん)状または長楕円体のクロロフィルをもたない原色素体proplastidから発達する細胞小器官である。その形状,内部構造,機能などは,種類によって著しく異なり,光合成器官になっている葉緑体のほか,クロロフィルを欠く白色体,黄化植物のエチオプラスト,大きな貯蔵デンプンをもつアミロプラスト,黄色や橙色細胞にみられる有色色素体,タンパク質の結晶を含むプロテノプラスト,大きな油滴や脂質顆粒(かりゆう)をもつオレオプラストなどがある。 いずれの色素体も葉緑体でよく研究されているように,独自のDNA,RNAおよび酵素をもち,自己増殖性の細胞小器官として生殖細胞を通して次の世代に伝えられる。…
【葉緑体】より
…この顆粒はプラストキノン,α‐トコフェリルキノン,ビタミンKなどのキノン類に富み,少量のカロチノイドその他の脂質を含む。プラスト顆粒は成熟した葉緑体よりも黄化組織のエチオプラストetioplastに多く含まれ,黄化組織が光を受けチラコイドが形成されるときには減少し,緑葉が老化しチラコイド膜系がこわれるとき増大することから,キノン化合物の貯蔵場所になっているものと考えられている。ストロマにはタンパク質やリボソームが少なく電子線をよく透過させる部域があり,そこにDNAと同定される糸状(太さ2.0~2.5nm)または棒状(長さ5~10nm)の構造が見られる。…
※「エチオプラスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」