世界大百科事典(旧版)内のエッサイの木の言及
【木】より
…父であるノアからセムとヤペテの2本の幹が伸び,この2本が交差してつくる三つの輪によってキリスト教の過去,現在,未来が象徴される。《イザヤ書》(11章)にみられる〈エッサイの木〉は,ユダヤ人の歴史を象徴し,中世を通じて多くの表現を見たイメージである。エッサイの腰から生えた木には,マリアとキリストが実る。…
【系図】より
…紋章院はガーター勲章の調査の責任者Garter Kingと,トレントTrent川以南とウェールズを受け持つ紋章官Clarenceux King of Arms,トレント川以北と北アイルランド(1943年より)の責任者Norroy (& Ulster) King of Armsの3 Kingsが統括している。 家系を図示するのはヨーロッパ中世の写本や教会の窓に見られるイエスがエッサイの家系であることを示す〈エッサイの木(根または株)〉にさかのぼる。〈エッサイの木〉の最も古い記録は,1097年にギヨーム・ド・トゥルネGuillaume de Tournayが東方から〈エッサイの木〉をかたどった燭台をもたらしたというのにさかのぼり,12世紀に作られたサン・ドニ教会のステンドグラスにも見られる。…
【ゴシック美術】より
…同様の象徴主義的図像は,彼が諸地方の画家を呼んでつくらせた内陣周囲のステンド・グラスにも現れ,その反映はシャルトルの12世紀半ばのステンド・グラスに反映している。それは〈エッサイの木〉の図像で,旧約の諸王が横たわるエッサイからはえた木に重ねて表され,頂上にイエスをおくものであり,ここでは新旧両約の対照が系図的に表される。彼はさらに正面の扉口をアキテーヌの彫刻家を呼んで飾らせるが,旧約の諸王のほか,族長や預言者らを加えて扉口両側に立ちならぶ像をつくらせた。…
【生命の樹】より
…キリストが磔刑にされている木の幹から,左右に12本の枝が分かれ出,その枝には48のメダイヨンが配され,そこにキリストの生涯が表されている。〈エッサイの木(根)〉と称されるキリストの系譜の図像と類似してはいるが異なっている。その代表例としては,パチーノ・ディ・ボナグイーダPacino di Bonaguidaの作品(14世紀初頭)を挙げることができるだろう。…
※「エッサイの木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」