世界大百科事典(旧版)内のエピスコポスの言及
【キリスト教】より
… キリスト教は都市型の宗教で,都市を中心に教会を築いていった。2世紀前半には教会の組織もだいたい固まり,使徒の権能を継承するエピスコポスepiskopos(〈監督〉の意から〈司教〉または〈主教〉と訳す)が教会の代表となり,司祭が信者の司牧と典礼の執行に当たり,司祭の補助者として助祭がいた。以上は聖職であるが,そのほかに教会の管理や運営にあたる人々もいた。…
【主教】より
…カトリック教会では〈司教〉,プロテスタント教会の一部では〈監督〉と呼ぶ。主教職の起源については不明の点が多いが,1世紀の教会ではエピスコポスepiskopos(〈監督〉の意,のち主教となる)とプレスビュテロスpresbyteros(〈長老〉の意,のち司祭となる)の区別が明確ではなかった。しかし2世紀中葉までにはエピスコポスが聖職の最高位として確立した。…
【聖職者】より
…聖職者の起源は必ずしも明らかでなく,またユダヤ教の祭司の権威と職能がどこまでキリスト教に受け継がれたかについても議論がある。すでに新約聖書のなかに監督(エピスコポス),長老(プレスビュテロス),執事(ディアコノス)の名称が見えているが,2世紀はじめのイグナティオスの書簡によれば,この3者がはっきり区別され,主教,司祭,助祭の3聖職の原型が成立していたと考えられる。このうち主教は教区の統轄者,司祭はミサ(聖餐式)を中心とする祭儀の執行者,助祭は主教および司祭の補助者である。…
※「エピスコポス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」