カサバ(都市)(読み)かさば

世界大百科事典(旧版)内のカサバ(都市)の言及

【イスラム美術】より

…(5)宮殿(カスルqaṣr,サライsarāy) 中央に池や噴水などを設けた中庭の周囲に公私の居室を配置したものを基本的単位として,これを多様に組み合わせた例が多い。(6)城砦(カサバqaṣaba,カルアqal‘a) 初期のタイプは,古代ローマの辺境の砦の形式を踏襲している。一般に,強固な塔で補強した城壁や堀を周囲に巡らせ,城門の両側に塔を設けてはね出し狭間(はざま)(マチコレーション)などを設けた。…

【カスバ】より

…アラビア語で国または都市の域内をカサバといい,そこから軍隊の駐留する城砦や城砦をもつ一地方の中心都市をさすようになった。マグレブ諸国ではカスバと発音し,次のような三つの意味で用いられる。…

【都市】より

…7世紀以後,大征服によってオリエント世界を統一したイスラム教徒は,これら古代都市の遺産を継承して独自の都市文明を築き上げてゆく。
[イスラム都市の形成]
 中世アラブの地理学者は,一地方の中心都市をカサバqaṣaba,それ以外の中小都市をマディーナmad‐īnaと定義する。しかし一般には規模の大小にかかわりなく,むらに対して経済・文化のかなめとなる都市を,アラブ世界ではマディーナあるいはミスルmiṣrといい,イランやトルコではシャフルshahrと呼ぶ。…

※「カサバ(都市)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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