カントメトリクス(読み)かんとめとりくす

世界大百科事典(旧版)内のカントメトリクスの言及

【歌謡】より

…現在の段階では,不明な点が多いため,それぞれの文化のもつ歌の音楽的な面にのみ着目して,特性を抽出したり分析・合成することが行われている。また,音楽的特性とそれを生みだした社会構造との関連に基づいて,広範に歌の比較を行っているのがロマクスAlan Lomax(1915‐ )の計量歌謡学(カントメトリクスcantometrics,計量音楽学とも訳される)である。【徳丸 吉彦】
【日本の歌謡】
 日本の歌謡は,8世紀に成った《古事記》《日本書紀》《風土記》および《万葉集》の所載歌から始まる。…

【ロマクス】より

…1937年以来やはり民謡研究家であった父親J.A.ロマクスの下でアメリカ民謡の収集に携わり,民謡の録音と歌唱様式に関する文化人類学的な興味を深めた。以来,アメリカ,イギリス,イタリア,スペインその他で伝承民謡の録音に従事し,数多くのLPレコードを制作したが,彼の名を一躍高めたのは,1963年に彼が組織した〈カントメトリクス・プロジェクトCantometrics project〉と名づけられた民族音楽学者の研究グループで,民謡の歌唱のさまざまな側面を計量的に分析し比較する研究法を開発したことである。これは録音された民謡の特徴,例えば,旋律線の形,フレーズの長さ,音量,声色,発声・発音上の特徴,その他30余の項目にわたる音楽構造からみた様式上の特徴を通文化的に比較するもので,結論として,民謡の様式はそれを生み出した文化の社会構造の特徴と密接な相関関係にあり,また歌唱様式の地理的な分布は,過去における民族移動の轍を跡づけ,文化の歴史的分布を鮮明に描き出していると唱えた(《民謡の様式と文化》1968)。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」