グリフィスのきず(読み)ぐりふぃすのきず

世界大百科事典(旧版)内のグリフィスのきずの言及

【ガラス】より


[機械的強度]
 ガラスに引張応力を加えると,金属にみられるような塑性変形をほとんど示すことなく,弾性変形の限度内で破壊が起こる。ガラスの破壊強度は,原子間の結合力から予想されるいわゆる理論強度と比較すると1/10~1/100であり,その理由としては,ガラス表面には他の物質と接触したときに生成するきわめて微小なきず(通常〈グリフィスのきず〉と呼ばれる)が存在し,応力下ではその先端に応力集中が起こり,このきずが成長し,ついには全体的な破壊が起こると考えられている。ガラス繊維にして表面積を小さくすれば,このようなきずの存在確率も減少するから高い強度が得られ,これを強度のサイズ効果と呼ぶ。…

【強化ガラス】より

…板ガラスに熱的あるいは化学的処理をほどこし,表面に圧縮応力層を作ったものをいう。ガラスの破壊は,その表面に存在する〈グリフィスのきずGriffith flaw〉と呼ばれる微細なきずが引張応力によって成長していくことによって起こる。したがって,表面層に圧縮応力層を作っておけば,ガラスがある程度の応力下におかれても,表面応力は圧縮状態に保たれ,破壊に至らない。…

※「グリフィスのきず」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」