グレース協定(読み)ぐれーすきょうてい

世界大百科事典(旧版)内のグレース協定の言及

【ペルー】より

…ここで太平洋戦争は元来,運命共同体としての意識を国民各層が共有すべき格好の機会であったが,チリとの国民統合の差を露呈するだけであった。
[少数支配の時代]
 1889年,〈グレース協定〉(グレース商会)で,鉄道,グアノの採掘権など,広範な利権をアメリカ,イギリスの債権者に譲渡することによって,ペルーは太平洋戦争の痛手からしだいに回復した。そして19世紀末には,イギリス,アメリカの外国資本の支配権強化の下で,農・鉱産品の輸出に特化して近代化を進めようとする寄生的ブルジョアジーと,高地の封建的な大地主層との間に,きわめて閉鎖的な少数支配秩序(貴族的共和制〈バサドレ〉)が形成される。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」