グロリエ,J.(読み)ぐろりえ

世界大百科事典(旧版)内のグロリエ,J.の言及

【装丁(装幀)】より

…また,背バンドはイギリス,ドイツの書物に他の国よりも長く残される。 フランス史上の有名な人物とはけっしていえないが,書物工芸の歴史のうえでは欠くことのできない愛書家グロリエJean Grolier(1479‐1565)は,フランス軍および政府の財務官として1510年から20年代にかけてミラノ公国に駐留し,〈グロリエ式装丁〉として有名な多くの蔵書をつくらせた。様式はいくつかあるが,よく知られているのは茶褐色の子牛革かモロッコ革に幾何学的な〈交差テープ文様〉と小さな花形を組み合わせて金箔押しで表し,中央の空間にタイトル,下方に〈ジャン・グロリエとその友らのものIO.GROLIERII ET AMICORVM〉の銘文を入れたものである。…

【ディー】より

…さらに彼は古文書の保存管理を中心とする近代的な図書館システムの最初の提唱者であり,1556年にはメアリー女王に対し,内乱のため破壊されつつある写本類の収集保全を請願した。この請願は実現しなかったが,ディー自身は独力で4000冊に及ぶ書物を集め,当時ヨーロッパで最大といわれたグロリエJean Grolierの蔵書数約3000を上回る前代未聞の私設資料館を築きあげ,のちアシュモリアン博物館の収集品に加えられた。収書中にはR.ベーコンの写本類が多く,ディーを通じてF.ベーコンは自分と同姓の哲学者の思想に接したともいわれる。…

※「グロリエ,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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